半世紀ほど前の積雪 |
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昭和33(1958)年3月1日樽本、農家の玄関先と庭の積雪風景です。
人の背丈をはるかに超える積雪は毎年のことで、積雪が多ければ今年の豊作を期待し、少なければ不作を懸念する冬のくらしでした。
温暖化といわれる近年でも、例年、数メートルの積雪が続いています。 |
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昔の雪道つけ |
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樽本で近年まで実際に使っていた、「カンジキと藁沓(わらぐつ)」です。
カンジキも藁沓もすべては、家々の、その家の当主が冬仕事で手作りしていました。
特にカンジキと藁沓は冬の雪道つけに、欠かすことの出来ない重要なはき物でした。
夜間の積雪でなくなった道跡を、カンジキ着けて腰あたりまでの新雪をかき分けながら、「道つけ」するのが男子(中学以上)の登校前の仕事になっていました。 |
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今の雪道つけ |
集落の中を通る公道は、毎日、除雪車によって整備されますので、バスをはじめ車の安全往来が充分に可能になっています。
集落の家々までの私道も、除雪車によって整備されますので、カンジキを着けて「道つけ」することもなく、車による移動が可能になっています。 |
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除雪車による整備で、集落の集まりや、お隣りとの交流の外出も楽になったと喜ばれています。 |
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屋根の雪おろし |
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真冬の深夜、「ギシッ、ギシッ」と家がきしむニブイ音が聞こえていた翌朝はいつも1m近い雪が積もっていました。
茅葺(カヤブキ)屋根の堅牢な家が、雪の重みに耐えて出すその不気味な音は今も
耳に残っています。
その翌朝から大人たちが屋根の雪おろしを進めると、今度は「ギシッ、ギシッ」と家が背伸びする音が家中に響いていました。
昭和20年代後半の記憶です。
温暖化と言われる近年でも樽本の冬は、数メートルの積雪は珍しくはありません。
樽本は過疎化・高齢化・少人数化が進み、一人住まいや冬季の空き家が増えてきました。
このために近隣NPOの皆様から、雪おろしの親切な支援を受けている家があります。
写真は上樽本で、平成19(2007)年3月1日の撮影です。 |
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